3.31.2015

ハードより速いソフトの進化

こんにちは、DKです。

今日は、EyefiというSDカードについて書きたいと思います。

SDカードに無線LAN機能が内蔵されおり、一眼レフからコンデジまで、SDカードが入るデジタルカメラで撮った写真を、スマホなどの端末を使ってその場で確認することができます。無線機能以外は普通のSDカードと同じで、無線機能をオフにしたままでも使用が可能です。

技術の進化によって、SDカードはmicro SDカード、mini SDカードと呼ばれる小型版が登場しました。記録媒体として必要な部分の縮小にともない、空いたスペースでこの無線技術の様な、別のアイデアを入れこむ事が可能になりました。

このSDカード以外にもソフトウエア面での進化が顕著なプロダクトはいくらでもあります。例えばスマートフォン。これらはソフトウエアのアップデートで後から改良が加えられます。同じ外見でも、違う機種の様に感じる程の違いが表れます。

ソフトウエアと反対に、ハードウエアは作った後に改良を施す事が困難です。だからこそ、最初からより良いハードのデザインは今後も変わらず求められ続けるのだと思います。

3.26.2015

新しくない形での新しい提案。

こんにちは。DKです。
先ほど面白い製品を知りましたので、今日はその紹介をしたいと思います。



ポーランドの企業が開発しているMouse-Boxという製品。端的にいうとPC内蔵型マウスです。

こちらが紹介ムービー

デザイン面から見ると、赤黒ツートンのボディカラーで、指のかかる位置が明確に示されています。底面パーツにも黒色パーツを使うことで、視覚的に薄く見せていますね。赤色が膨張色であるのに対し、黒色が収縮色であるためです。
クリックボタンにかかる人差し指、中指部分は指先にいくにつれて幅広にモデリングされており、指先の遊びを作ることで滑るなどのクリックミスを防いでいます。

プロダクトデザインとしては全く新鮮味はありませんね。いたって普通のマウスです。
ただ、今までPCと何ら変わらないスタイルでありながらも、新しい使い方を提案できるというのが、このプロダクトの良い所だと思いました。ユーザーからすれば、どこでも常に同じPCを同じ操作感を得られるため、ユーザーフレンドリーであると言えるでしょう。

反面気になるのは、常に手の内にあることで、排熱が籠もりそうな点。サイズからしてバッテリーの持ちに期待できません。拡張性も、本来のディスクトップPCと比べれば劣るでしょう。そもそも持ち運びができても、ディスプレイが置いてあるところでしか使えませんし、キーボードも別途用意しなければなりません。

スマホ全盛期の今、ノートPCで十分。PC持つくらいならタブレットで。という声も多いと思います。
確かに、無理にマウスにまとめなくても良かったのではとも思わなくはないですが、この形にしたことこそが、この提案の魅力になっているのだと思います。

すでにプロトタイプは完成しているものの、現在は量産化に向けてスポンサーを募っているようです。

3.23.2015

デザイン学生のためのインターンシップ

今年 Borderless で初めて、インターンシップの学生を迎えることになりました。

就職活動を始めたばかりの爽やかなデザイナーのたまご君です。




約一ヶ月間のインターン期間の中で何をやろうか、メンバー間で話し合いました。


結局は、現状のポートフォリオのブラッシュアップと自己PR力のパワーアップ、空いた時間に新しい作品づくりをする、という流れに。

新しい作品づくりもコンセプトワークからスケッチ、3DCADモデリング、3Dプリンタを使ったモックアップ製作まで盛りだくさんです。


ポートフォリオのブラッシュアップだけでもとんでもなく大変ですが、この時期がいちばん大切だということで、頑張ってもらうことにしました。





自身が学生時代に最も欲しかったアドバイスが、「企業の採用担当者が何を求めているか」。

OB 訪問時のアドバイスや友人同士ポートフォリオを見せ合って、必死に試行錯誤しました。


あの時、もっと具体的にディレクションしてくれる先輩や、何がデザイナーにとって大切なことなのか、実務経験を含めて教えてくれる人がいれば・・という思いがあったので、
このインターンを通して彼にそれを伝えられればと思います。


新たなテクノロジーの台頭でデザインのプロセスやトレンドが大きく変わっていく中、ツールもスキルもデザインの導き方も、トレンドに対するキャッチアップの早さまで、バランス良く身につけてほしいと思います。





就活生のみなさん、頑張ってください!












Borderless Inc.

3.20.2015

アートディレクション紹介


Borderless のアートディレクション紹介。



プロダクトカタログ ①



プロダクトカタログ ②





創業間もない頃からお世話になっている企業様のプロダクトカタログ、商品パッケージ、リーフレットができました。



製作にあたって考えたコンセプトが、「人を照らす光」でした。



照明器具製品は「人」が中心になって使い、その生活を照らし出す商品なのにも関わらず、既存のカタログやパッケージは商品の写真やスペックシートを掲載するだけのものが多く、もっと身近で人を温かく照らし出す「光」をテーマにしたアートディレクションをしたいと思いました。



ビジュアルイメージ全体を通じて、「人と光」の存在感が感じとれるように配慮しています。





リーフレット ①



リーフレット ②



パッケージ





撮影含め、丁寧につくり込むことができた作品です。


ありがとうございました。











Borderless Inc.

3.17.2015

榮久庵会長の告別式。増上寺にて。


今日 3 月 17 日、増上寺で 故 榮久庵 憲司 会長の本葬・告別式があり、出席してきました。

よく晴れて大門周辺は人も多く、参列の方もとても多かったです。


三宅一生氏、浅葉克己氏、宮田亮平氏をはじめ錚々たるクリエイターの方々、企業トップの方々が出席しておられました。



優しい表情の遺影を前に、本当に会長が亡くなったことを実感しました。

これまで新聞や Web など、メディアでしか情報を見ていなかったので。




以前のエントリーにも書いたように、GK を卒業する際に目白の会長室にご挨拶に伺いました。


今日ふと思い出したのが、あの日席について開口一番、


「それで、君は GK で何をしたの?」


と言われたこと。


手がけたモデルもまだ発表される前だったので、言葉に詰まってうまく答えられなかったことを覚えています。




今日も本葬に参列して、焼香の際に遺影の前に立ち、


「君は何をしたの?」


と問われた気がしました。



確かに何かを成し遂げたと言えるものは何一つなく、これから先もこの


「自分が何をしたのか?」


を問いかけながら、活動を続けていきたいと思います。




そして、この先 会長の前で

「僕は ◯ ◯ をしました。」

と、堂々と胸を張って報告できるように、精進していきたいと思います。








 増上寺の前で。





A.Oono
Borderless Inc.




何を以って良いプロダクトとするか(カメラ編)

こんにちは、DKです。

カメラは何を基準に良い悪いとされるのでしょうか?
僕は、「ユーザーに合ったカメラシステムのバランス」がそれを左右する大きなファクターであると考えています。

現在店頭で売っているコンデジでも、日中であればどれも綺麗に写ります。ではなぜ、一眼レフやミラーレスを選ぶ人がいるのかといえば、それは撮影環境が多少不利になってもしっかり撮れるタフさがあるからです。
他の理由として、撮影表現の幅が広いことを挙げる人もいるでしょう。そういう人は、操作性の良い物を求める傾向にあります。反対に、カメラ任せにして撮るのであれば、わざわざ大きなカメラを選ぶ必要はなくなります。

また、機能面だけでなく、カメラという機械への捉え方にも各人で違いがあります。
カメラを写真を撮るための道具だという人もいれば、趣味の玩具であるとする人もいます。単に写真好きもいれば、カメラ自体が好きなコレクターもいます。

このように、趣味性と実用性を兼ね揃えたプロダクトであるカメラは、要求されるものが人によって全く異なるのです。それゆえ目的が明瞭であれば、自分のニーズに合ったカメラを選ぶことができるため、自ずと満足度が高くなります。

将来的にはレンズだけでなく、機能ごとに細分化されて交換できるカメラが登場するのではないかと予想しています。なぜなら、現在の多様化したニーズに対し、たとえレンズが交換できたとしても、1台のカメラでそれをカバーするのが難しい現状があるからです。
だからこそ、ユーザーが自分にあったベストな構成を組むことができるようなカメラシステムが、ユーザー、メーカーの両者にとって、一つの良い選択肢になるのではないでしょうか。

ソニーやオリンパスは、センサーとマウント部だけのカメラをすでに発売しています。センサー、レンズ以外を、自分の用途ごとにカスタマイズ出来るというもの。
下の画像での構成は、望遠ズームレンズに大きなグリップ。光軸上に照準器を付け、液晶モニターの代わりにスマートフォンを使用しています。
OLYMPUS AIR A01を用いた参考出品(CP+2014)

過去に、ライカのレンジファインダーカメラ用に、ビゾフレックスという光学ファインダーのオプションパーツが純正でありました。これは今で言うと、ミラーレスカメラだけど一眼レフにもなるよ。というもの。ミラーレスはかつてのレンジファインダーに近い存在であると言えますね。
LEICA Visoflex II (1959)

3.15.2015

デザイン料の相場と考え方(2)

デザイン料の相場とその考え方について。



前回はデザイン料の算出方法と支払いの仕方について紹介しました。


今回はデザイン料の相場とその目安、考え方について書きたいと思います。



デザイン業務を依頼する上で、デザイン会社や個人事務所、フリーランスなど多くの選択肢があります。

個人的には、WEB オンライン上で仕事をアウトソーシングするのが当たり前になってきた 2005 年ごろから、デザイナーの数が一気に増えたと思っています。


前回同様、ひとつだけ確実に言えることは、

「デザインの専門教育を受けていないデザイナーには相談/依頼をしない」

ということ。



とは言え、誰に頼めばいいのか。

誰がデザイン製作を依頼するにあたって適任なのか、判断しづらいかもしれません。


WEB などでデザイン製作の価格表をどのデザイン会社も公開していないのは、作業量や著作権の所在、デザイン案をいくつ提出して欲しいのかなど、案件の内容を聞いてみないと見積もることが難しいからです。

ただ、ここの部分がいつまでもブラックボックス化しているのは問題だと思い、ヒントだけでも提示することはできないか、考えてみました。



以下は東京でデザイン会社もフリーランスも含め、デザイナーとして 10 年間 活動してみてのひとつの目安です。

他の地域や業種の場合は多少違いが出てくるかもしれません。


目安をつくる上で、キャリアや経験値で A ~ F のようにランク付けをすると理解しやすいのではと考えました。

ただ、一概にこのリストがそのまま実力を表すものではありません。

若手のデザイナーであっても経験や実力が充分にある場合もありますし、その逆もまたあり得ますので。



A - F ランクリスト:

 A. メディアの露出が多い、誰もが知っている有名デザイン会社  *受賞歴多数

 B. 大手デザイン会社/有名・老舗デザイン事務所  *受賞歴多数

 C. 中小規模デザイン会社/デザイン事務所(経験 10 年以上)  *受賞歴あり

 D. フリーランスデザイナー/個人事務所/デザイングループ(経験 5 年以上 10 年未満)

 E. 若手デザイナー(経験 5 年未満)

 F. 若手デザイナー(経験 3 年未満)/学生


A ランクは業界の 3 % 以下、B ランクは 5 ~ 8 % といったところでしょうか。
C ランクで 10 ~ 20 %、D ~ F は残りの 70 ~ 80 %で、かなりの数に上ると思います。




デザイン料の相場は、あくまで所感ですが、


 A. 1 プロジェクト 1000 万以上 *プロジェクト契約/年間契約/顧問契約 など

 B. 1 プロジェクト 500 万以上 *プロジェクト契約/年間契約 など

 C. 1 プロジェクト 100 万 ~  (デザイナー単価一日あたり 4 万円 ~ 5 万円)

 D. 1 プロジェクト 30 万 ~ 80 万円  (デザイナー単価一日あたり 3 万円 ~ 4 万円)

 E.  1 プロジェクト ~ 15 万  (デザイナー単価一日あたり 1.5 万円 ~ 3 万円)

 F.  1 プロジェクト 1 万円 ~ 5 万円  (単価はバラバラ)



をひとつの目安に考えていただければ現実に近いのでは、と思います。

( 1 プロジェクト 例:全国展開企業コミュニケーションロゴの企画立案と製作)



活動する地域や業種によって、また法人なのか個人なのかなどによっても違いは出てくると思いますが、あくまで目安として。


デザイナーと会話するときの参考にしてみてください。




今後もデザイナー仲間や知人との
情報交換を通じて、加筆・修正をしつつ信頼度の高いリストにしていきたいと思います。



それでは。










Borderless Inc.

3.13.2015

デザイン料の相場と考え方(1)


デザイン料の相場とその考え方について。


デザインの仕事についていろいろとお話をいただくようになって、特に質問されたり、問い合わせの多い内容のひとつに、

「デザインの相場っていくらなの?」

があります。



デザイナーと頻繁にお仕事をされたり、会話などやり取りをされることのない方にとって、ここの部分はとても気になる点だと思います。


ひとつだけ確実に言えることは、

「デザインの専門教育を受けていないデザイナーには相談/依頼をしない」

ということ。


WEB の普及もあり、「デザイナーの定義」や「職業としてのプロ意識」がとても曖昧なものになってきていると感じます。



なので、自身が考える相場とその考え方についてまとめてみました。

業種や地域によってそれなりに違いが出てくると思うので、一概には言えないかもしれませんが。



まず、デザイン料の算出方法と支払いについて。

算出方法については以下のパターンが一般的でしょうか。



 A. 【単価方式】人件費単価(+ 経費/試作費)x 日数 = デザイン料

 B. 【創作費分離方式】創作費(アイデア費) + 作業費(人件費)+ 経費 = デザイン料

 C. 【条件算出方式】条件に応じた費用(出張や修正回数など)+ 経費 = デザイン料



また、支払いは

【イニシャル一括方式】(プロジェクト終了もしくは納品完了後に一括で支払い)

か、

【イニシャル分割方式】(プロジェクト開始時に一部支払い、その後何段階かに分けての支払い)

があります。

【イニシャル分割方式】は長期にわたるプロジェクトの場合に有効だと思います。


コンサルティング契約や顧問契約のように、契約の一定期間 月額の支払いや、製品の売り上げに応じて支払う、ロイヤルティ契約なども場合によって存在します。


デザイナーと会話する際の参考にしてみてください。



次回は相場、デザイン料の目安について書きたいと思います。








Borderless Inc.



参考:
公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会  http://www.jida.or.jp
公益財団法人 日本デザイン振興会  http://www.jidp.or.jp








3.11.2015

New MacBook をデザイン視点でみる。




新しい MacBook とApple Watch が発表されました。Air と Pro のアップグレードもあったみたいですね。

今日はニュースサイトやガジェット系のブログなど、いたるところで記事を目にしました。



個人的には Apple Watch よりも New MacBook の方が興味があります。

早く手にとって、じっくり見てみたい。


今日記事を読んでいて、いろいろな写真やレビューを見ることができ、満足でした。



まずおもしろいと思ったのは、筐体 ヨコ幅ぎりぎりのキーボード。










ここまで際まで攻めていると、筐体に相応の応力がかかったときに、割れてしまうのではないかと心配になりますが。。

知ってのとおり、Apple 製品のほとんどはアルミの削り出し部材で筐体を製造しています。

Fanuc の 5 軸CNC加工機を使って製造していると聞いたことがありますが、恐ろしい精度ですね。

応力計算もした上で、充分な強度を保ちつつこの筐体をリリースしたのかと思うとわくわくします。



次は





この内部。

基盤こんなものでいいのか、という驚き。

基盤やプロセッサ、センサー類のレイアウトなど、Apple は内部基盤までデザインすることで 有名ですが、徹底してます。ここまで整理されると清々しいですね。

おそらく強度を稼ぐために設計されたリブも、きちんと複合的な役割をもたせられているのだろうと推測できます。


また、





「地層のように」と表現のあったバッテリーです。(この写真からはわかりませんが)

分割して、左右対称に配置してあります。美しい。。


旅行カバンに荷物をパッキングしているみたいですね。


これのおかげで厚さは 13.1 mm。
重量は 0.9 kg。

これ、現行の Air より薄くて、しかも軽いんですね。やれやれ。。



一点残念なのは、ディスプレイ背面の Apple ロゴ。

LEDで光るのが Book シリーズのひとつのアイデンティティになっていましたが、このモデルは光らないという話です。iPad や iPhone のようなクロームの磨き仕上げでしょうか。

暗闇に浮かぶ白い Apple ロゴのファンだっただけに、この仕様は残念です。






色も iPad や iPhone 同様、シルバー/ゴールド/スペースグレイ とカラーバリエーションをそろえました。4 月以降はスタバのテーブル席がカラフルなことになりそうですね。



最後に「気が狂っている」とも評されている USB Type - C ポートひとつのみというコネクト部分の仕様。







MacBook の充電と iPhone の充電を同時に行えない、充電中に USB メモリを挿せないなど、とんでもないユーザー体験を提供しようとしています。

専用のハブを別売で提供するそうですが、こういうところがファンを熱狂させてしまうんですね。



余談ですが、Apple は非接触充電の技術をすでにもっているそうで、この先リリースするであろう新型ハードで、標準搭載するのではと推測しています。

その技術の量産化目処が立っているからこそ、今回のこの割り切りがあるのでは、と思いました。

タッチパッド部分に iPhone を置いておくだけで充電と Sync が開始すれば、もうケーブルは必要なくなりますね。



今後もこんな風にデザイン視点でいろいろな製品を観察したエントリーをしていこうと思います。




A.Oono
Borderless Inc.









3.09.2015

発売前のApple Watchに思うこと

こんにちは、DKです。

今夜はアップルの新製品発表会がありますね。

注目はApple Watchでしょうか。他にも、12インチのMacBook Airや、新型iPadが登場するのでは?と色々な噂がありますが、それが明らかになるのもあと数時間ですね。

ここのところ話題になるスマートウォッチ分野ですが、長期的に見て今後、市場が確立できるのか?という点がとても興味深いです。

かつてiPhoneは、携帯電話よりも大きな画面を搭載し、機能として音楽、ゲーム、カメラ、通話、ネットなど、これ1台に全て集約したという大きなメリットゆえに、爆発的にヒットしました。しかし、「これ1台で」と謳っていたApple自ら、新たにデバイスを追加する方向性に、僕は疑問を感じます。時代の流れなのでしょうか。

Apple WatchはiPhoneと連携し使う前提の様ですので、この小さなデバイスのみで。という使い方はメリットがなさそうです。1iPhoneユーザーとしては、「あったら便利かもしれないけど、無くてもさほど不便しないだろう」というのが今のところの感想です。
それよりも、iPhoneのソフトウェアはそのままに、ハードウェアのバリエーションを増やしてもらえた方が、個人的にはありがたかったです。例えば、iPhone6でサイズが大きくなった分、iPhone5、もしくはそれ以下のサイズを追加展開するとか。

まだ発売前で使うどころか触ってもいないのに、ああだこうだ言うのも変な話ですが、新デバイスの発売でありながら、ぱっと見でそれほど驚きが無かったのが残念です。
普及こそしませんでしたが、10年以上前から腕時計型の携帯電話、デバイスはたびたび登場しています。今度こそ市場、テクノロジー両者の機が熟したのかと思うと、今後の展開が楽しみです。


2003 Docomo 「WRISTOMO」

3.06.2015

デザインは人を元気にさせる。




2 / 28 発売の Motorcyclist 4 月号の掲載記事の取材にご協力しました。


テーマは「元気にさせるデザイン」です。




最初企画のお話をいただいたときは、

「え?」

と聞き返しそうになりましたが、せっかくいただいた機会なので、デザインは人を元気にさせるものなのかどうか、考えてみました。



自身がビークル/プロダクトデザインなどのハードウェアを多く手がけてきたので、それに限って考えると、デザインによって人は大いに元気になれると思います。

ただ、結果は手がけたデザイナーの個性に強く左右されると思います。

また、その製品やサービスの目的や用途によっても大きな違いはあるでしょう。



今回のテーマのように、特に趣味性の高いプロダクトの場合は、いかに人の気持ちをポジティブにさせられる要素があるか。


例えばカラーリングであったり、素材のコンビネーションだったり、純粋な造形や意匠であったり。
手がけたデザイナーがユーザーに対してどう感じてほしいかを考えれば考えるほど、デザインにポジティブな要素は加わっていきます。


ユーザーへの思いやりやサービス精神が旺盛なモノほど、元気にさせる度合いは高まるんじゃないかと思います。




これは完全な主観ですが、元気一杯のデザイナーや茶目っ気たっぷりなデザイナーほど、
人を元気にさせたり、ポジティブな気持ちにさせるデザインを創り出すことができると思っています。



日本にそういった製品やサービスがあふれるようになってほしいですね。





Motorcyclist 4 月号は全国書店で発売中です。是非ご覧ください!

http://www.amazon.co.jp/Motorcyclist-モーターサイクリスト-2015年-04月号/dp/B00SRQAEMI/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1425613434&sr=8-1&keywords=motorcyclist




Design makes feel alive.

A.Oono
Borderless Inc.








3.04.2015

タニタとオムロンの意匠権裁判について

こんにちは、DKです。
今日は、最近判決が下った意匠権の裁判について取り上げたいと思います。


2月26日、東京地裁がタニタにオムロンヘルスケアの体重計の意匠権侵害で1億3千万の賠償を命じました。

下の2つが争点になった両社の製品。

両体重計とも、表面全体がガラスで、左右に電極部が2つずつあり、中央上部に液晶表示、中央部にスイッチを配置しています。

タニタ側は「電極や液晶表示部の位置などは体重計の基本的なデザインとなっており、類似には当たらない」と主張し、オムロンヘルスケアは「両体重計のデザインは実質的に同一で、消費者が混合する可能性が極めて高い」として意匠権侵害訴訟を起こしたようです。判決理由は閲覧が制限されていて、明らかになっていません。タニタは「控訴を視野に入れて対応を検討する」としています。

これ、どうなんでしょう?まず初めに思ったのは、「そんなこと言ったら他の電化製品はどうなの…」でした。特にスマートフォンなどデジタルガジェット分野。
地裁判決なので、最終的な決着がつくのはまだまだ先になりそうです。


2013年12月にポラロイドブランドのミラーレスカメラが、ニコンのデザイン特許権侵害を理由に、販売仮差止命令を下された判例があります。判決理由を見なくても、ひと目でこれくらい酷似していると、説得力があって判決にも納得できるのですが。

3.03.2015

Unique, Impact and Magic.




マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボはご存知でしょうか。

伊藤 穰一さん(Joi Ito) が所長を務められている研究機関です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/伊藤穰一




芸術と工学、人とコンピュータをテーマとした数々の先進的な研究を行っている、世界的にもその活動を注目される研究所です。

アートとメディア、デザインとテクノロジーを様々な角度から捉え直し、魅力的な作品や研究発表をすることで知られています。



先日そのメディアラボの所長補佐である 林 千晶 さんの話の中で聞いたことですが、ラボでは特に3つの活動方針を大切にされているそうです。


1つめは


" Unique " (誰もやっていないことをやる)


2つめは


" Impact " (社会にインパクトを与える活動を目指す)


3つめは


" Magic " (驚きや感動を与える)



ということでした。

これがとても面白くて、メモを取ったまま記憶に残っています。




デザインやクリエイティブの仕事に関わっている人であれば、" Unique "と" Impact "は様々なシーンで意識するよう言われます。

よく言われはするものの、それがモノを創り出す上で最も難しいわけですが。。



ただ、この2つのコンセプトは自分にとっては聞き慣れていて、それほど目新しいものではなかったんですが、3つめの" Magic "は面白かった。


「驚きや感動を与える」という目的を「魔法の」と意味のある言葉を使っている点が特に。

" Magic "は「素晴らしい」という意味もありますね。


本当に優れたデザイナーやクリエイターには、人を驚かせたり意外な方法で笑わせたりする人が多いように思います。



今後会社の活動を通じて、自分なりにこの " Magic " を体現できれば、と思っています。





A.Oono
Borderless Inc.